中小企業省力化投資補助金(一般型)(以下、省力化補助金と省略)の第5回の公募が12月19日から2月下旬までというスケジュールで始まっています。
いつ公募要領が発表されるかと注視していたのですが、それには理由があります。
2025年9月に『「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の一環としての最低賃金の引き上げに関する支援の拡充』という文書が内閣府から公表され、賃金の引き上げが補助金の要件緩和等につながることが明記されております。
省力化補助金で公開された要件と同等のことが、これから公募される他の補助金にも適用されることが予想されることが注目していた理由です。
公募要領の相違点
補助上限額
「大幅な賃上げに取り組む事業者」について補助上限が引き上げられていますが、これは第4回公募でも同じ条件であるため、変化はないといえます。
補助率
「最低賃金引き上げに取り組む中小企業」についても、第4回同様に補助率が1/2から2/3に引き上げられています。この点に変化はありませんが、第4回では補助額が1,500万円を超える部分は補助率が1/3となっていました。一方、第5回では1,500万円を超えても補助率は2/3のままです。
加点評価
2024年から2025年にかけて、現在の地域別最低賃金以下で雇用していた従業員が一定以上存在した場合の「地域別最低賃金に係る加点」、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合の「事業場内最低賃金引き上げに係る加点」もあります。これらは第4回公募でも類似した条件があったため、大きな変化はないといえます。
基本要件
この補助金に申請するには、労働生産性の向上や給与支給額を増加させる事業計画の作成が必要です。
この給与支給額の考え方については、第4回では「給与支給総額、または一人当たりの給与支給総額の増加」が求められていましたが、第5回では「一人当たりの給与支給総額の増加」のみが必要要件となっています。
第4回までは人員増加に伴う給与支給総額の増加が補助対象となっていましたが、第5回ではそれが対象外となっています。
なお、「一人当たりの給与支給総額の増加」が未達の場合に、その割合に応じて補助金の返還が求められる点は、前回と同様です。
補助事業活用の注意点
昨年、『「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」の一環としての最低賃金の引き上げに関する支援の拡充』が公表された時点では、「賃金を引き上げると補助事業の活用が緩和される」という認識がありました。しかし、公開された公募要領を見ると、一部緩和はあるものの、より賃金引き上げに対して厳格な運用が求められるようになったといえます。
省力化補助金申請時の事業計画書には、「どのような点が省力化につながるか」を記載しなければなりません。記載する内容は第4回と第5回で大きな違いはありませんが、第5回では「一人当たりの給与支給総額の増加」のみが基本要件になっているので一人一人の作業効率の向上と賃金引き上げの関係が想起できるような取り組みが求められる可能性があります。
みちのくIT経営支援センター 理事 清野浩司
