みなさんこんにちは。
みちのくIT経営支援センター、MITBACの高木順です。
初めましてになりますが、2018年から所属しておりかれこれ5年になりました。
私は元SEというキャリアに、中小企業診断士+ITコーディネータという立ち位置で、経営とITをつなぐお手伝いをしています。
どうぞよろしくお願いします。
さて今日はどんなお話をしようかと思いを巡らせてみたのですが、マーケティングとブランディングのお話をしていこうかと思います。
投稿済みの記事ではAIやキャッシュレス、SNSや LINEなど割とテクニカル寄りの記事が続いていたので、ちょっと経営寄りの話をしてみようかなと思ってとりあげてみます。
みなさんはマーケティングとブランディング、この言葉の違いを説明できるでしょうか?
先のSNSなどもそうですが、ホームページやブログなど、ウェブの世界では、『発信』を介してマーケティングもブランディングも行われています。
この二つはどう違うのでしょう?
この二つはどちらも発信によって行われていますが、実は全く逆の性質を持つものなのです。
いろんな定義や主張がありますが、語弊を恐れず、分かりやすく端的に言うと、マーケティングとは4P(Product,Promotion,Price,Place)に代表される『売り方』の技術です。顧客の思いを大切にします。
対してブランディングとは、私はこんな人間でこんなことを考えています、こんな世界観を作りたくてこんなコトやモノを大事にしています、そのためには…、という『在り方』を伝える技術がブランディングです。売り手や作り手の思いを大切にします。言い方を変えると、その在り方を伝え示すための、表現し識別する技術、ラベリングの技術と言っても良いと思います。
例えばみなさんに聞いてみます。
どちらに行きたいですか?
- A テーマパーク
- B ディズニーランド
たぶん、多くの方がBに行きたいと思われたのではないでしょうか?なぜでしょう??
ディズニーランドはテーマパークなはずです。もっと言うと、ディズニーランドはテーマパークの一つですから、いろんな種類のテーマパークがありえるAの方が多様な体験ができて、多様なターゲットを受け入れる器や懐があるはずです。
しかしアンケートをとると多くの場合、Bが選択されます。
それは先程申し上げた、ラベリングの技術が使われている(効果が生じている)から、Bが選択されるのです。
Bディズニーランドとは『夢の国』と呼ばれ、ミッキーマウスをはじめとする多くのキャラクターや、そのキャラクターたちが住む世界を体験してもらう、こんな考え方で運営されています。
もちろんマーケティングによる売り方も多数用いられていますが、ブランディングによる『在り方』をきちんと構築し伝えることにとても多くの手間と時間とお金と労力をかけています。
だから選ばれるのです。
世の中は戦後、物不足から高度経済成長に進み、人口は右肩上がりで、ものを作れば売れ、良いものを作ればもっと売れ、機能を高めればさらに売れ、ということを日本社会は長らく続けてきました。
しかしバブルからバブルがはじけて以降、今日まで、失われた20年30年と呼ばれる中、売れない売れないと叫ばれる中でも、みなさんの生活はモノにあふれ、「今欲しいものはなんですか?」と問われてもすぐには答えが出ないほど、実は満たされてしまっているのです。
このような中ではいくらモノをよくしても売れないのです。
そこで台頭してきたのがマーケティング。『売り方』なのです。
モノがいいのは当たり前。売り方により人の心を刺激して、購買意欲をくすぐって、買ってもらおう売っていこうと躍起になってきたのです。
しかしものが満たされ、良いものも売れなくなり、売り方にシフトしてきた現代ですが、今度はみなさんの周りにはマーケティング情報が氾濫するということが起こってきたのです。
これはひとえにSNSや広告や検索の技術が飛躍的に高まり、そこに売りたいという人たちの欲求が重なり、多くの方は情報洪水の中、マーケティング情報に辟易するようになってきたのです。
つまり、良いモノで差別化できない時代のあとは、売り方による差別化の時代に突入していったのですが、売り方による差別化もできない時代に突入してきているのです。
そんな今、大切なのは『在り方』を伝えることです。
繰り返しますが、ブランディングは在り方を伝える技術であり、ラベリングの技術です。
技術というと、やり方でなんとかなるテクニックかのようなイメージが先行しますが、「私はこんな人間でこんなことを考えています、こんな世界観を作りたくてこんなコトやモノを大事にしています、そのためにはこんな振る舞いをしていきたいと思っています」というような、とても骨太で、しっかりとした土台であり、その人の思想そのものを表すものなのです。だからこそ『在り方』と呼ばれているのです。
物の良し悪しも大差なく、売り文句にも疲れた今
あの人が言っているから
あの人がやっているから
あの人が売っているから
間違い無いのだろう、や
なんだか魅力的、と感じられるようになっています。
ディズニーランドだけでなく
Apple、スターバックス、ユニクロ、星野リゾート、、、
例外なく、強いブランドは『在り方』をはっきり定義し伝えていますし、今この時も選ばれ続けています。
あなたはあなた自身の『在り方』を定義できていますか?
形にして伝えることができていますか?