今年は国勢調査が行われる年です

 2025年前期のNHK連続テレビ小説「あんぱん」では、主人公が速記を武器に新聞記者になったり代議士秘書になったりしていますが、何か国会で速記がなくなったとかいう記事(*1)を読んだ記憶があったので捜していたときに、ちょっと個人的に面白かった記事を見つけたので、少し古い情報ですが紹介します。(何件かの類似記事のなかから比較的新しいものとして『「国勢調査からみる「平成になくなった・誕生した職業」!影響を与えた時代の変化とは?ー大正大学地域構想研究所 主任研究員 中島ゆき氏」キャリアリサーチLab編集部』)(https://career-research.mynavi.jp/column/20241009_86573/)
 記事では、国勢調査で使用している「日本標準職業分類」が1990年(平成2年)と2015年(平成27年)に大きな改訂が行われ(*2)、平成2年には存在したのに平成27年になくなっているものを「なくなった職業」、平成27年に新しく分類や例示が追加されたものを「誕生した職業」として紹介しています。

【なくなった職業】
 旧小分類が廃止されたもの
  ・速記者          → 他に分類されない専門的職業従事者の例示に移行
  ・タイピスト        → 廃止
  ・ワードプロセッサ操作員  → 廃止
  ・キーパンチャー      → データ・エントリー装置操作員の例示へ移行
 例示から削除されたもの
  ・速記者学校講師、タイピスト学校講師、ワードプロセッサ操作員、タイピスト
 その他、業界界隈の職業以外でも芸者やダンサー、電気・ディーゼル機関士などの小分類が廃止されていて、例示から消えた職業を、ながめていると懐かしい気持ちになります。

【誕生した職業】
 例示に記載されているもの
  ・情報ストラテジスト    (以下、何れも小分類はシステムコンサルタント)
  ・システムコンサルタント
  ・ビジネスストラテジスト
  ・ISアナリスト
 他にもITサービスマネージャなど諸々記載されていて、きりがないのでやめておきますが、業界界隈で多くの新しい職業が誕生したようです。

今年は、国勢調査が行われる年ですが、日本標準職業分類は2009年の改定が最後のようですので、これらの分類から例示を参考にして自分の職業がなんなのか選ぶことになります。

分類が変わると統計的に過去との比較ができなくなってしまうと記事にはありましたが、お馴染みのAIに、令和に消えた職業と新しく生まれた職業を聞いてみると、なくなったのは、ビデオ・DVDレンタル店スタッフで、新しく生まれたのは、AIプロンプトエンジニアだと教えてくれました。

 *1 2023年11月に参議院で手書きの速記が廃止されていました。
 *2 総務省のページによると日本標準職業分類の改定は現行が2009年、そのひとつ前が1997年なので
   記事の年は平成に行われた最初と最後の国勢調査の実施年のようです。

(内山)