AIは現在どのぐらい事業戦略の構築に使えるのか?

みなさんこんにちは。
会員の高木です。

ニュートピックとしての生成AIの話題も一段落し、どこまで活用できるのかという論点について、いろんな立場の人がいろんな見解を表明する所まで来ていますね。
とくに写真や映像、音楽、デザインなどのクリエイティブ領域、あるいは文書やスライド等ビジネス領域ではいろんなケースや事例を見聞きするようになりました。

 

しかし私自身はどうも今ひとつ自身の仕事に落とし込めるところまで来ていないのですが、皆さんはいかがでしょうか?

みなさんもプロンプトの投げ方(生成AIへの指示の出し方)が結果を左右するということを耳にされている方も多いのではないかと思います。

このような点も踏まえ、今回は私自身が仕事で使うとしたらどのようなケースがあるかな?と想起してみて、戦略構築の入口になる、マーケティングターゲットを選定する際にどのようなプロンプトの投げ方があるかちょっと考えてみようと思います。

この際、ただ単に文章をやり取りしたケースと対比して(仮想のケースですが)投げてみた実例を記載しながら考えてみたいと思います。


まず、単に口語にてChatGPTと会話してみたケースです。

宮城県沿岸部の地方としてにて、車両販売と保守整備、事故対応としての板金修理等を営んでいる自動車工場にて、今後焦点を当てていくべきマーケティングターゲットを教えて下さい。

このように指示をしてみました。

すると次のような回答を得ることができました。

宮城県沿岸部で自動車工場を運営している場合、以下のようなマーケティングターゲットに焦点を当てることが有効です:

  1. 地元住民

    • 地元の住民は日常的な車のメンテナンスや修理を必要としています。特に、地域に根付いたサービスを提供することで、信頼関係を築き、リピート顧客を増やすことができます。
  2. 地域企業

    • 地元のビジネス、特に物流業者や他の車両を頻繁に使用する企業をターゲットにします。これらの企業は定期的な車両保守や事故後の迅速な修理サービスを求めています。
  3. 観光客や一時利用者

    • 宮城県は観光地としても知られています。レンタカーや観光バスなど、観光関連の車両のメンテナンスや緊急修理を提供することで、新たな顧客層を開拓することができます。
  4. 若年層のドライバー

    • 新しい運転免許を取得した若者に向けたメンテナンスプランや、事故対応教育などを提供することで、若年層の顧客を確保し、長期的な顧客基盤を構築することが可能です。
  5. 災害対応サービス

    • 宮城県は過去に津波や地震の影響を受けた地域であるため、災害時の緊急車両修理や、事前の防災チェックサービスを提供することで、地域社会に貢献し、企業イメージを高めることができます。

これらのターゲットに対して、どのようなサービスを提供し、どのようなコミュニケーション戦略を取るかを計画することが重要です。地域に密着した広告戦略や、デジタルマーケティングを活用することも考慮に入れると良いでしょう。

さらにもう1回質問を投げてみます。

ありがとうございます。 回答いただいたそれぞれのターゲットごとに考えうる具体的な施策をそれぞれ一つづつ教えて下さい。

すると次のような回答を得ました。

それぞれのマーケティングターゲットに対して有効な施策を一つずつ紹介します:

  1. 地元住民

    • 定期的なメンテナンスプログラムの導入: 地元の住民向けに、年間契約や月額定額サービスを提供することで、定期的に車のチェックを受けられるようにします。これにより顧客は車の状態を常に最適に保つことができ、工場側は安定した収入源を確保できます。
  2. 地域企業

    • 企業向けフリート管理サービス: 地元企業が所有する車両のメンテナンスや管理を一手に引き受けるサービスを展開します。これにより企業は車両管理のコストと手間を削減でき、車両の運用効率が向上します。
  3. 観光客や一時利用者

    • 緊急修理サービスと連携プログラム: 観光地のホテルやレンタカー会社と提携し、旅行者向けに緊急時の迅速な修理サービスを提供するプログラムを設定します。旅行者がトラブルに遭遇した際には迅速に対応できる体制を整え、安心して旅行を楽しんでもらうための支援を行います。
  4. 若年層のドライバー

    • 新ドライバー教育プログラムと割引キャンペーン: 新しい運転免許を取得した若者向けに、安全運転や基本的な車のメンテナンスを教えるワークショップを開催します。参加者にはメンテナンスサービス割引券を提供し、若者が車の維持管理に対して意識を高めるきっかけを作ります。
  5. 災害対応サービス

    • 防災車検チェックサービス: 宮城県の地域特性を生かし、地震や津波に備えた車の特別点検サービスを提供します。このサービスには、非常用品の搭載方法や緊急時の対応ガイドも含めることで、住民の災害対策としての意識を高めます。

これらの施策を通じて、各ターゲットに対するサービスの質を高め、顧客のニーズに応じた対応を強化することが重要です。


どうでしょうか?

「まぁ、そうですね」というような回答で、役に立たないとは言えないかもしれませんが、ちょっとしたヒントを得ることができたかな?ぐらいの感覚でしょうか。。。

仕事で有用!というほどまでは言えないかもしれません。。。

少しプロンプトを工夫してみたらどうなるのだろうかと対比の例を上げてみたいと思います。

あなたは中小企業の経営を改善するコンサルタントです。
以下の依頼事項に応えてください。

#目的
顧客層のイメージを明確化します。

#依頼
{#入力情報##ターゲティングの目的}から想定される明確な顧客層を教えて下さい

#入力情報
##ターゲティングの目的
{#入力情報###市場}や{#入力情報###事業環境}のなか生じている問題の解消に向け、{#入力情報###経営課題}に焦点を当てて当社の顧客層を見つめ直すため。

###市場
宮城県沿岸部の地方都市

###事業領域
*車両販売
*保守整備
*板金修理業

###事業環境
地方の人口減少の流れに符合し減少する若年人口のなか、一度地元を離れると、都会に定住しなかなか帰ってくることが減ってきている。

###経営課題
*売上減少の抑制
*顧客数減少の抑制
*顧客年齢層の高齢化の若返り
*新規顧客の開拓

#出力形式
想定される顧客層のイメージを10個箇条書きで挙げてください。
その理由も提示してください。
出力はマークダウン形式でお願いします。

#出力形式フォーマット
#顧客層のイメージ
1.** ・・・ **
#理由:

このようなプロンプトを投げると、以下のような返答となりました。

 

顧客層のイメージ

  1. 若年層のドライバー(20代〜30代)

    • 理由: 地元に定着しない若者をターゲットにし、地域外からの移住やUターンを促進することで新規顧客を開拓する。
  2. 家族を持つ中年層(30代後半〜40代)

    • 理由: 子育てや日々の生活で車が必要な家庭向けのサービスを提供することで、安定した顧客基盤を構築する。
  3. 地域に根差した高齢者(60歳以上)

    • 理由: 顧客年齢層の高齢化に対応し、高齢者向けの安全で快適な車両の提供を強化する。
  4. 地元に戻るUターン層

    • 理由: 都市部から地元に戻る人々をターゲットに、彼らが新生活を始める際に必要とされる車両販売や保守サービスを提供する。
  5. 観光客や短期滞在者

    • 理由: 車両の短期レンタルや観光目的のサービスを展開することで、地方都市を訪れる人々を新たな顧客層として取り込む。
  6. 自動車愛好家やホビー層

    • 理由: 特定の車両やカスタマイズサービスに特化することで、自動車に特別な興味を持つ層を引きつける。
  7. 地方での新生活を始める移住者

    • 理由: 地方移住を検討している人々に向けた車両販売や整備サービスを提供し、新規顧客として取り込む。
  8. 事業用車両を必要とする小規模事業者

    • 理由: 商用車や特殊車両を必要とする地元の事業者をターゲットに、ビジネス向けのカスタマイズや整備サービスを提供する。
  9. エコ意識が高い環境に優しい車を求める層

    • 理由: 環境への配慮が高まる中、エコカーの需要が増加しているため、このニーズに応える商品やサービスを提供する。
  10. オンラインで車を検討する若い世代

    • 理由: オンラインプラットフォームを通じて車両を紹介・販売することで、デジタルに慣れ親しんだ若年層をターゲットにする。

これらの顧客層をターゲットにすることで、宮城県沿岸部の地方都市における市場の特性を活かし、顧客数の減少を抑え、売上を安定させることが期待できます。

前回同様の追加質問を投げてみました。

それぞれの顧客層に対応する具体的な施策を以下に示します:

  1. 若年層のドライバー(20代〜30代)

    • 施策: 地元の大学や職業訓練校と連携し、新卒者や若手社員向けのリーズナブルな初回購入プログラムを提供する。
  2. 家族を持つ中年層(30代後半〜40代)

    • 施策: 家族向けの安全性が高く、燃費効率の良い車両を推奨するキャンペーンを展開し、保険やメンテナンスパッケージを特典として提供する。
  3. 地域に根差した高齢者(60歳以上)

    • 施策: 高齢者向けの運転しやすい車種の展示会を定期的に開催し、特別割引や運転支援システムのデモンストレーションを提供する。
  4. 地元に戻るUターン層

    • 施策: Uターン移住者向けのウェルカムパッケージを提供し、地元に帰ってきた際の車購入サポートや特典を提供する。
  5. 観光客や短期滞在者

    • 施策: 観光情報センターと連携して、レンタル車両に地域の観光マップやおすすめルートを同梱するサービスを提供する。
  6. 自動車愛好家やホビー層

    • 施策: カスタムカーの展示会やミーティングを定期的に開催し、特別仕様の車両やカスタマイズオプションを紹介する。
  7. 地方での新生活を始める移住者

    • 施策: 移住者向けのオリエンテーションセッションを開催し、地元の交通事情に適した車両の選び方や購入サポートを行う。
  8. 事業用車両を必要とする小規模事業者

    • 施策: 商用車に特化したリースや長期保証プランを提供し、事業のニーズに応じたフレキシブルな支払いオプションを提供する。
  9. エコ意識が高い環境に優しい車を求める層

    • 施策: エコカー購入支援プログラムを設け、地方自治体の補助金情報提供やエコカー限定の割引キャンペーンを実施する。
  10. オンラインで車を検討する若い世代

    • 施策: オンラインプラットフォームでのバーチャル車両展示や、オンライン限定のプロモーションを実施し、購入プロセスをデジタル化する。

これらの施策を通じて、各顧客層のニーズに合わせたサービスを提供し、地域特有の市場条件を最大限に活用します。

まぁもちろん、このまま使えるレベルではないのですが、さっきよりは多少戦略に使えるきっかけになるかな?ぐらいの返答をもらえたような気もします。

まだまだ工夫や改良の余地はあるのかと思いますが、きちんとプロンプトに指示を出せればもっともっと有用な回答を得られるような気もしました。

特に現在はこのようなテキスト系の生成AIの結果をまたAIのインプット元として活用するケースが多くなっており、うまく使えばだいぶ仕事を楽にすることもできるような状態を作ることができるのかもしれません。

もう少し勉強しつつ、活用していきたいと思える機会でした。

 

分量も多くなってきたので、今回はこのへんまでということにいたします。

また情報提供したいと思います。