突然の「熊」と「トラブル」にどう向き合うか? ITコーディネータが考えるリスク管理

熊被害を防ぐ

 こんにちは。 (一社)みちのくIT経営支援センター(MITBAC)、代表理事の本田です。

 師走も半ばを過ぎ、東北の寒さも本格的になってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 さて、今年の世相を表す漢字が発表され、「熊」が選ばれたようですね。
私たち東北(みちのく)に住む人間にとっては、今年は本当に身近で、かつ切実な課題として「熊」を感じる一年だったように思います。
(余談ですが、私が借りている事務所のすぐそばの地下鉄の駅近くでも目撃情報が出ました)
連日のようにニュースで目にする出没情報に、不安を感じた方も多かったと思います。

 実は、この「熊」というテーマ、私たち中小企業の「IT経営」の視点から見ても、非常に深く考えさせられるキーワードなのではないか…と考えてみました。
今回はITコーディネータとして、この漢字から2つの視点をお話ししたいと思います。

1. 「まさか」への備え(リスクマネジメント)

 熊の出没は、いつ、どこで起こるか予測が難しいものです。

「ここは大丈夫だろう」

という場所にも現れ、大きな被害をもたらします。

 これは、企業の「セキュリティリスク」や「システム障害」と非常によく似ています。

「うちは地方の小さな会社だから、サイバー攻撃なんて関係ない」
「サーバーが止まるなんて、そうそうないだろう」

 そう思っていた矢先に、ランサムウェア被害や予期せぬデータ消失といった「熊(脅威)」は突然現れます。

 山に入るときに鈴を鳴らし、スプレーを携帯するように、企業経営においても、ファイアウォールという「柵」を設け、バックアップという「保険」をかけておく。
この「備え」こそが、IT経営の守りの要(かなめ)です。

2. テクノロジーによる解決と共存

 もう一つの視点は、「課題解決の手段としてのIT」です。

 既に、熊対策としてドローンによる監視や、AIカメラによる検知システムが各地で導入され始めています。
ITは単に業務を効率化するだけでなく、こうした「人間だけでは対処しきれない社会課題」を解決する力を持っています。

 私たち、みちのくIT経営支援センターが目指すのも、まさにそこです。
人手不足という厳しい冬の時代において、ITというツールを使いこなし、どのように事業を継続し、発展させていくか。
脅威をテクノロジーで検知し、賢く共存・対応していく知恵が、今の経営には求められています。

最後にまとめとして…

 「熊」という漢字は、「能(能力)」に「火(烈火)」と書きます(※由来の解釈として)。
力強く、時に恐ろしい存在ですが、自然界の豊かさの象徴でもあります。

 厳しい環境変化(熊)に遭遇しても、慌てずに対処できる強い経営体質を作るために、私たちITコーディネータは、皆様の「鈴」となり、道案内役として、これからも伴走支援を続けてまいります。

 年末ご多忙の折ではございますが、くれぐれもご自愛ください。 来年も、みちのくの企業の皆様と共に歩んでいけることを楽しみにしております。

代表理事 本田秀行

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