業務目標は適切に設定されているか?

事業目標を達成するための指標としてKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)の他にKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定することがあります。
以前はバランススコアカードと共に使用することが多かったのですが、最近はKGI・KPIだけで利用しているケースが増えているようです。
KGIは最終的な業務目標を指すのに対してKPIは目標達成のための取り組みを評価するものなので、目標達成の成否に関わらず取り組みプロセスを評価出来るという点で優れた考え方です。
KPI自体を使用するのは非常に良いことですが、目標達成にいたる取り組みを評価するはずが逆に目標達成に反するような使われ方を目にすることが増えています。

ゴールに直結しないKPIは悪か?

成果を出せなくても頑張っている従業員を評価するためにKPIを設定することは決して悪いことではありません。
特に目標達成に向けた取り組みが社内に定着していない場合や、従業員を育成しながら目標達成に取り組むような場合は、モチベーションアップを図るために比較的難易度が低いKPIや定性的なKPIを意識的に設定することはあり得ます。
そのようなKPIを設定することがKGIの達成に寄与すればよいのですが、目標達成に直結するとは思えないKPIや、取り組んでいる人がやっている感を演出するための言い訳指標に成り下がっているケースを目にすることが増えています。

目標自体を評価する

KGIが適切に設定されているかどうかを目標値を見ただけで判断することはできません。
言い訳の目標として設定され続けることを防ぐために、定期的にKGI自体を評価することが有効です。
同じ目標値を設定し続けていないか、KGIに対して低い設定のままになっていないか等がチェックポイントと言えます。
また、言い訳にしようという悪意がなくてもKPIの有効性が低くなっていることがあります。
KGIが達成できているか、またはKGIの達成に近付いているか等を確認し、現在のKPIが適切であるかも評価すると良いでしょう。

 

みちのくIT経営支援センター 理事 清野浩司