ITベンダーとの付き合い方について

みなさん、唐突ですが、ITベンダーとうまく付き合えていますか?

最近は、ノーコードツールやSNS活用など、事業者自身でIT化に取り組める範囲も増えてはいますが、やはりある程度の規模になると自社で対応するのが難しくなってきます。

そういった場合、内製化だけにこだわり過ぎず、餅は餅屋という様に、外注した方が効率的だったり、最新のテクノロジーを取り入れることができたりなど、ITベンダーと連携するメリットが出てくるのですが、実際にITベンダーへ外注したりするのってなかなか難しいですよね…?
では、なぜ難しいのかというと、皆さんそれぞれの会社・立場での本業がありますので時間なんてない、またITベンダーとやり取りする機会自体が少ないですし、そもそも社内の雰囲気としてITが苦手というか敬遠してしまう方が多かったりして、ノウハウを社内に蓄積するのが難しいというケースが多いからではないかと考えています。

 

そんな中、実は、ITベンダーと上手に付き合う為に役立つコツがありますので、今日はそれをお伝えしたいと思います。

大きなポイントは以下の5点です。

1. 目的を明確にする
2. 社内体制を決める
3. 情報収集をする
4. 相見積りを取る
5. ベンダーごとの特徴を見極める

 

以下、それぞれについてご説明します。

 

1. 目的を設定する

まずは全社目線での目的を設定してください。
どこかの部署のITに詳しい人や情シス担当者の独りよがりになってしまいがちですが、必ず組織のトップとゴールを共有し、全社目線で設定してください。
そうしないと、「どうしてもこのシステムを使いたい!」という状態になり、手段が目的になってしまいます。
組織のトップと共有することで、組織目標や大義名分に則ったIT導入プロジェクトになりますので、後々進めやすくなるわけです。

 

2. 社内体制を決める

システムは会社の利益のためのものですし、システム利用者は従業員ですので、情シスだけで決めるのではなく、早い段階から全社や社内キーマンに説明することで、円滑に進める体制を作ります。
これにより、プロジェクトの実現性が高まります。もし情シス単独で進めていた場合は、円滑に進まない恐れがあるので早めに是正していきましょう。
また、できるだけ多くの人を巻き込んでいた方が、コスト部門と思われがちな情シスのプレゼンスをアピールできるとともに、社内のIT導入への考え方が柔和になり、次に繋げやすくなるので、ここに力をかけましょう。

 

3. 情報収集をする

冒頭でお伝えした通り、ITが本業でない限り、ITベンダーより情報が少なくて当然です。しかし、情報量が少ない方が商談では立場が弱くなりますので、特に初めて扱うジャンルのシステムなどであれば、複数社から参考情報を入手してください。
ここでのポイントは広く浅くです。機能や価格などを限定せずに、今こんなものがあるということを知るために、気になる数社に打診して、資料請求や簡単なオンラインミーティングなどを行い情報収集をしてみてください。

 

4. 相見積りを取る

情報収集を経て方向性が定まってきたら、基本的には複数社から見積りをとってください。できればRFPという要件をまとめた書類を作った方が良いですが、情シス部門に時間や経験がないとそれもできませんので、そのような場合は3社程度から提案・見積りを入手してください。
やはり、1社の提案・見積りしか受けていないと、適正かどうか判断できません。

 

5. ベンダーごとの特徴を見極める

複数社から提案・見積りを入手したらそれを比較するわけですが、比較するにもポイントがあります。それは、金額については5年トータル費用などに揃えること、機能面や運用面であれば、簡易的で良いので比較表を作って判断することです。
また、このように比較していくと、同じ依頼をしたのにも関わらずベンダーごとに不揃いな箇所が見えてきます。A社ではあの機能があるがB社でも可能か?などと考え交渉したりすることも出てくるのですが、そういったやり取りを重ねる中で、あのベンダーはなんでも引き受ける会社だ、とか、やれなそうなことは断る会社だ、などという特徴が見えてきます。
この限りではありませんが、一例として、次のように対応します。
なんでも引き受けてくれる会社を選ぶとき
→何かしらうまく進まないこともあるがそれは自分が社内を説得するなどしてカバーする気持ちで望む
やれなそうなことは断ってくる会社を選ぶとき
→不安に感じていそうな点をしっかり説明し、見積りが高くなり過ぎないようにコントロールする

 

まとめ

情シス部門が人数も多く社内の地位が高い場合は、上記は当てはまらないというか既にこれら以上のことをできていることがほとんどだと思いますが、これから経験を積みながらIT化を進めるようとされている段階の会社でしたら、まずはこの辺からお試しいただけると良いと思います。

なお、みちのくIT経営支援センターのメンバーは、ITのコンサルができる資格「ITコーディネータ」を持っており、多くのメンバーが独立してこのような実務にあたっていますので、ITベンダーとの間に入って橋渡しをする人がいたらな…というような場合、まずはお気軽にご相談ください。

 

ITコーディネータ 木村